221系が網干からいなくなったそうで

 私は普段あまり鉄道についての新しい情報は積極的には調べないタイプなのですが、たまたまyahooのトップページでこんな鉄道コムさんの記事が目に留まりました。


 むっちゃ回りくどい記事名ですが、要約すると1989年に新快速用として製造された221系が東海道・山陽本線の運用車両基地である網干総合車両所から全て移籍して1つの区切りを迎えたという話。調べてみたら東海道・山陽本線の運用自体は既に昨年の段階で終了していて、多客時の播但線の運用目的で在籍していたようです。確かに最近は225系100番台に押されてめっきり姿を見かけなくなったなあと思っていたんですが、数が少ないどころかいなかったんですね。うーん、よく考えたらEOSを買ったのが2023年8月だから、たぶん快速運用の221系を1回も撮ってないぞ^^;
吹田総合車両所のイベントにて、
当時まだEOSが無いのでスマホ撮影

 225系100番台に押し出された221系は近畿各地の路線に転属して、2両編成から自在に組めてしまう利便性の高さを活かして大活躍、これも初めて知りましたが1989年のデビューから35年が経過していながら未だに廃車が発生しておらず、編成を組み替えながらも生み出された全ての車両が現役で活躍し続けているということ。モビルスーツに例えれば、国鉄時代の103系や111・113系列がザクやジムといった超汎用量産型なら、221系は各段に進歩しつつも信頼性が高くて各種転用が可能、でも携行ビーム兵器を持つほどには進歩しきっていないドムじゃないかと思いますね(謎)

 私は国鉄末期の時代に生まれた大阪の人間ですので、221系は非常に思い入れのある車両です。物心ついたころの私が目にするJRの車両と言えば、当たり前ですが国鉄時代の真っ青な201系やオレンジと緑の113系など。大阪環状線へ行けばさらに古いオレンジの103系ばかりです。そんな中に新快速として現れた221系、

・最高時速120km/h!
・白い!
・窓が大きい!
・ライトがカッコイイ!
・ドアが静か!

 子供心に何もかもが新鮮で初体験。民営化後にJR西日本として初めて投入した車両なので極めて意欲的だったので、まさにその意図が子供の私をワクワクさせました。親や従兄弟に連れて行ってもらって何度も新快速に乗せてもらいましたし、117系を見送って221系が来るまで待つことも多くありました。今の鉄オタからすると贅沢な話かもしれませんが、子供にとってみれば新車が出てきたら古い117系なんてもう乗りたくないわけです(笑)ああ、でも今見たら117系の原色ってかっこいいなあ。
同じく吹田総合車両所のイベントにて
イベントに向けて再塗装した吹田工場の意欲作
左は吹田工場が誇る保存車両・モハ52形

 当時の車両って先頭車両から前を見るための窓はたいてい非常に小さくて、子供だと身長が足りないから絶対に見えませんでした。それが221系は大型曲面ガラス、かつ乗務員室と客室の間も大きなガラスで仕切られていてなんと前が見える!今となっては当たり前のことだと思いますが、この時代の転換点にいた人間からすると衝撃的です。だってこの頃は大阪市営地下鉄の60系なんて乗降扉の窓すら位置が高すぎて子供では外が見えなかったんですから(笑)

 大人になってから221系を考えると、既に私鉄ではVVVFインバーター制御搭載車両も出始めている中で信頼性を重視して直流モーターを採用した堅実な設計で、120km/h運転と言っても正直100km/hを超えてくると全然伸びないので実際に新快速で120km/h出せた区間ってどのぐらいあったのかなあと思います。そして223系1000番台があっという間に増産されたので新快速での運用期間が案外短くなりました。
 まあかく言う私も223系に出会ったら完全に223系の虜になってしまったので、少なくとも新快速として221系には思い入れは無くなってしまったんですが、どうも自分の座高とか骨格とかの関係か座席に関しては221系のものが私にはしっくり来まして、以前は通勤でも大阪環状線を利用していたのでよく221系にも当たりましたけど非常によく眠れる印象、直流制御なので加速が滑らかではなく起動時は『ドンッ、ドンッ』と押されるような動き出しなんですが、この揺れもまた眠気を誘って今でも奈良とか遊びにいったら帰りはわりと爆睡しがちです。よく言えばなんか485系とかかつての特急に乗っているような心地よさ、悪く言えば国鉄の古さを思わせる揺れですね()

 221系の前面デザインは後の207系、その後継の321系でも基本的に踏襲されていますからJR西日本の車両群全体に対する影響も大きかったと思いますし、何より35年経っても全然カラーリングやデザインに古さを感じないと思います。古い話ですが2009年に225系0番台のお披露目イベント的なものが神戸で開催されたので行ったことがあるんですが(当時はまだこの手のイベントでパニック的混雑は起きることもなく自由参加で普通に行けた)、列に並んでいる男性2人組の会話で『私は221系が一番好きだ』と言っている人がいて、新車が登場しても根強い人気を感じたものです。
207系

ラッピングされた221系

 この先は最初に製造したものからさすがに車齢が40年に届いてくるので廃車も現実味を帯びてくるだろうと思うんですが、元々113系や201系等で運行されていた区間を置き換えて地方転属した221系はそちらの基準で見れば『新しい車両』。国鉄時代にはあからさまに大都市圏で使ったお古が徐々に地方に転属されて、いかにも古い車両のおさがり的なものはよくありましたが、今の利用者の方の実際の印象ってどんな感じなんでしょうね、車齢のわりにサービス水準は悪くない車両なので"お古感"はそんなに出てないようにも思うんですが、これは221系に対する思い入れ補正かもしれません^^;

 私のようにほぼJRと同じような年齢の人、もっと年上で国鉄バリバリ時代の年代の人、逆にステンレス製のJR化後の車両が当たり前に存在していて、221系が物心ついたころから『古い車両』という年代の人、それぞれで持っている印象ってきっと違うんだろうなあと思います。我こそはと思う奇特な方がいらっしゃればコメントください(笑)

 東海道・山陽本線の運用から外れたのにあまり実感が湧かないのは、おおさか東線では221系が普通・直通快速の双方で使用されているワンメイク状態で、下手したら新大阪の駅で客扱いしているものと回送で停車しているもの、2編成同時に視野に入ることすらあって『ものすごくたくさん走っている』ように見えてしまうせいだなと書いているうちに気づきましたが、まだまだこちらでは現役バリバリでお客さんを運んでもらいたいですね。いやあ、やっぱりこのカラーリングは秀逸だなあ。
 あ、そういえば221系ってなんか台車のきしむ音なのか、ゆっくりと横揺れした際に発生する『クワァァア』という音があんまり他の車両では聞かない音なのでそれも子供心に面白かったですね。
鉄道コム

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